<スイスから世界への輸出>
“月次では反発するものの、通年ではマイナスの見通し”
スイス時計総輸出は7月にわずかではあるが回復が見られ、8月にも微増が確認されました(前年同月比較で6.9%増加)。年初来8か月の総輸出金額は171億スイスフラン(約2兆9381億円)になりましたが、前年同期間と比べて1.4%の減少となっています。時計業界の企業の中には、中期的な見通しへの不透明感を懸念しており、今後はより慎重に、場合によっては事業縮小の可能性もあると考えられます。(スイス時計協会FHのスイス時計輸出月別レポートより抜粋)月別レポートおよび最新の統計データはこちらからご覧ください。
<スイスから日本への輸出>
8月のスイスから日本へのスイス時計総輸出金額は、約1億4320万スイスフラン(約245億8080万円)で、前年同月よりも14.4%の増加となりました。輸出先ランキングは、7月の2位から順位を1つ落としたものの、安定的に推移しています。日本へ出荷された数量は4万5000個で、前年同月比8.8%の減少でした。
一方、主要輸出先として上位にランキングされてきた香港が、8月に5位にランクダウンしたことは注目点です。過去を振り返ると5位にランクダウンしたのは、2022年9月に記録した他はなく、当時の香港への輸出金額が約1億5220万スイスフランであったのに対し、今年8月の輸出金額はそれよりも13%減少しました。スイス時計輸出先のハブ的な役割りを担う、香港への輸出の落ち込みが今後、どのような影響を及ぼすのか注視していきたいです。
*月別参考平均為替レート:@171.65(2024年8月4日~2024年9月1日)【日本関税協会 週間為替相場を参照】
*スイス時計総輸出金額は、腕時計とその他(ムーブメント、部品、クロックなど)の合計金額となります。
*輸出価格とは、スイスから時計が輸出される際に、輸出申告書に記載されている価格を意味しており、販売価格とは異なります。また、価格帯別データにおける価格帯とは輸出価格に基づくに価格帯であり、販売時の価格帯とは異なります。
October 03, 2024