ニュース オーデマピゲが、同社の歴史において最も重要なタイムピースのひとつである超複雑機構を備えた懐中時計「S. Smith& Son アストロノミカルウォッチ」、通称“グロスピエス”をサザビーズで落札したことを発表した。
2025年12月8日、ニューヨークで開催されたサザビーズのImportant Watchesオークションで、歴史的な「Olmsted Complications Collection」のひとつとして出品されたオーデマ ピゲの超複雑機構を備えた懐中時計”グロス ピエス”を創業150周年の節目を迎えた同社が落札した。今回、オーデマ ピゲがこの歴史的名品をオークションで取得したことは、時計製作の遺産を守り、卓越したサヴォアフェールを世界に示すというブランドの使命を改めて強調するものである。
1914年に製作が依頼され1921年に完成した、超複雑機構を備えた懐中時計”グロス ピエス”は、同年にS. Smith & Sonへ納品された後、長年公の場から姿を消し、アーカイブ資料や稀少な写真でのみ知られていた。1915年1月付の文書には、恒星時、黄道十二宮、至点、北半球の星空に関する研究が記されており、時計製作の黄金期を築いたパイオニア精神と卓越したクラフツマンシップを垣間見ることができる。
18Kイエローゴールドケースの“グロス ピエス”は、オーデマ ピゲが製作した中で最も包括的な天文時計であり、スカイチャートを搭載した初期の作品のひとつである。ロンドンの夜空を315個の星とともに描き、恒星時、永久カレンダー、ムーンフェイズ、均時差を表示する。20世紀に製作されたオーデマ ピゲ唯一の超複雑懐中時計は、ミニッツリピーター、グランド＆プチソヌリ、クロノグラフ、そして同メゾンの懐中時計では当時唯一のトゥールビヨンを備えている。
19種類の複雑機構を搭載する“グロス ピエス”は、1899年の伝説的な“ユニヴェルセル”と並び、オーデマ ピゲ史上最も複雑な懐中時計である。“ユニヴェルセル”と同様、ジュウ渓谷のエタブリサージュシステムの生き証人であり、専門職人たちが集結し、20世紀初頭に最も複雑なタイムピースを生み出した歴史を物語っている。
長年、コレクターとして名高いOlmsted（オルムステッド）コレクションの一つとして所蔵され、限られた人々のみが厳重な管理下で鑑賞してきたこの歴史的名品”グロス ピエス”は、今後、数年にわたるワールドツアーを経て、AP ハウスやイベントで公開された後、ル・ブラッシュのミュゼ アトリエ オーデマ ピゲに展示される予定である。
December 22, 2025
